こんにちは。実況の立野純です。
今年も記念の季節がやってきました。開設59周年記念泗水杯(GⅢ) 。近鉄四日市の駅前商店街には、約1か月前から横断幕も掲げられていました。
今回の記念の1週間前には、四日市競輪場内で、地元選手の記念壮行会も行われました (私は残念ながら、参加できませんでしたが)。そのときの、お客様からの寄せ書きも、場内には掲示されていましたよ。
今年、地元選手のあっせんは9名。うち浅井康太選手は、直前の高松宮記念杯落車による負傷で、 残念ながら欠場とはなりましたが、 地元選手が大いにシリーズを盛り上げてくれました。
中でも柴崎兄弟の決勝進出、初連係は、 全国の競輪ファンからも注目の的に。兄の俊光選手は、前検日から「今年こそは決勝に!」と意気込んでいましたが、 準決Cを番手戦で見事クリア!弟の淳選手は、準決Aを辛くも突破。初の兄弟連係が、地元ホームバンクの記念決勝で実現しました。
また、地元からは鈴木幸紀選手も決勝進出。 前々回の地元記念は特選スタートで優秀戦も走っていましたが、その後はやや低迷。しかし、この記念少し前あたりから、徐々に成績も回復。 前検日には「今年は地味に活躍することが目標です。『気づいたら上におる!』みたいな(笑)」と言っていましたが、地味どころか、 準決Bでは3連単71万円台の片棒を担ぐことに!インパクト大で、決勝に乗ってきました。
個人的に印象に残った地元選手は、 シリーズオープニングレースに出走した花村直人選手。今期5年ぶりにS級復帰し、 4日制の地元記念は初出走(補充を除く)。その気迫が伝わってきた、初日の1レースでした。捲りが決まったときは誰しもが「一次予選突破だ! 」と見えましたが、惜しくもゴール前差し込まれ4着。しかし、スタンドのお客様からは「花村!よかったぞ!」 という声援、拍手が盛んに送られていました。実況していた私も、1レースから力をもらいましたね!
シリーズを制したのは、園田匠選手(福岡・87期)。今節は、 かなり早い段階から発表された追加参戦。直前の高松宮記念杯では、いい形で一次予選を突破しましたが、二次予選Aでは、無念の1着失格 (内側追い抜き)。
「さすがにガッカリしましたよ…」
と語っていましたが、タテ脚には手応えを掴んでいるようでした。
「四日市は相性よくないんですけど、今回そんなイメージを払しょくできれば…」
と、前検日には話していましたが、勝ち上がり段階でも決勝戦でも、 抜群のキメ脚を披露しての記念初優勝!番手を回してくれた同門の先輩、大塚健一郎選手(大分・82期) が、引き上げて行く前に、園田選手の肩を「ポンポンッ!」と叩きながら祝福していたのが、とても印象的でした。
これで記念ウイナーの仲間入り。今年ばビッグでも初の決勝進出を果たしています。鋭いタテ脚に、 位置取りの厳しさも増してくれば、さらに上位での活躍も期待できそうで、本当に楽しみです!
さてここでは、前検日に取材した選手の中から、3選手をピックアップしてお届けしましょう。
まずは、岸澤賢太選手(埼玉・91期)。
岸澤選手は、約2年半前のA級戦(2007年12月)以来の四日市出走。 このときは優勝を飾っていました(3・1・①)が、破った相手が、今回決勝進出を果たした、同期の柴崎俊光選手! かなり中身の濃い優勝でした。「その優勝は覚えていますよ!最後(のA級戦)だったので」と。
ここに来る2節前の地元大宮戦では決勝進出。
「そうですね。最近、成績はまとまっていると思います。一頃と比べると、だいぶ良くなっていますね」 と、明るい表情。最近のレーススタイルについて、自己分析してもらいました。
「カマシ、捲りの方が得意?う~ん…、どうですかねぇ。 基本は押さえ先行なんですけど、別にカマシでもいいですし。 そんなにダッシュもいいタイプではないですから…。地脚、ダッシュが五分五分?ん~、微妙な感じですね。僕は、捲りだど、 意外と残れないことが多いんですよ。逆に、ペースで駆けた方がいいですね」
今回の記念は、中8日での参加。「来る前も、太田真一さんのグループで、しっかり練習してきました! 」と、明るく語ってくれました。
今節は選抜スタート。その選抜戦では、藤田大輔選手(千葉・91期) との同期対決2分戦。戦前は「藤田さんには負けていることが多くて…」というコメントも残していて、 人気も譲った形にはなっていました。が、レースではジャン前からの突っ張り先行!2着に残って、 同期対決を制しました。
勝ち上がった二次予選Aでは、番手に伏見俊昭選手(福島・75期)が付く番組に! ただ、レースでは残念ながら、別戦の永井清史選手(岐阜・88期)を叩き切れずに終わってしまいました(結果は、 伏見選手が自力に転じての逃げ切り勝ち)。
4日間通してバックを取れたのは初日のみに終わってしまいましたが、 積極性もあって戦歴も戻ってきた近況。7月からの新番組制度では、予選スタートになるかと思いますが、上位定着の力は十分!S級初Vも、 そう遠い話ではないかもしれませんね。
次に、中園和剛選手(福岡・89期)をピックアップ。
四日市はおととし11月以来の出走。このときは「相手に嫌がられる選手になりたい」 と語っていましたが、その言葉どおり、自力主体に位置取りも含め、 とにかく前々に攻めてくる選手。ファンの立場からすれば、車券に絡めたくなる選手ではないでしょうか。 ただ、成績を見ると、予選、一般戦でも着が安定しない近況です。
「ちょっと最近よくないですね…。練習の感じは悪くなく、調子は決して悪くない。ただ、 結果に結びついていないですね。ちょっとしたことなんでしょうけど、その“ちょっとしたこと” が難しいですね」…と、少々悩みぎみ(?)の表情から取材はスタート。
「組み立て面?そこもあるでしょうね。 考えて走りすぎなのかもしれません。よかった頃は『行かなきゃ!』 と思ったときには、勝手に行ってました。今、そこを考えている時点で、組み立てに失敗していますね。 『アッ!』と思っているときにワンテンポ遅れて、考えて行くまでにツーテンポ遅れて…。いいときは、行けるときにはもう踏んでいるので、 そういう状態を作っていかなきゃいけません。そこは、走りながら戻していかなきゃダメですね」
そんな中園選手に、改めてレーススタイルを話してもらいました。
「レースは、自力基本に組み立てて、何でもやるって感じですね。 誰も来なければ駆けますし」
「調子がいいときは“自力基本”なんですけど、最近のように(成績が)悪いときは、 自在色が強くなって…。“自在”はどこかにあるけど、また“自力”の気持ちを強めに持っていきたい。 絶対先行する訳でもなく、かと言って捲りに構える訳でもなく。展開によって使いわけたい」
「とにかく力を出し切りたい。負けるときは中途半端に終わっていることが多いので、 その辺りを今回課題にして、どんな展開でも力を出し切ることを考えたい」
そう前検日に語って、臨んだ初日4レース一次予選。
人気は片寄雄己選手-高橋武選手の南関両者に集まっていましたが、前々に踏んでいた中園選手は、 片寄選手のカマシに一瞬離れた高橋選手を見逃さずに、番手を奪取!ゴール前は倉岡慎太郎選手に1/4輪差されたものの、 九州ワンツーで低評価を覆しました!
必ず一度は動いてレースを作る中園選手ですが、来期はA級暮らしとなります。
「来期はA級ですが、『S級から落ちてきた』と思わずに、『ここからまた始める!』 くらいの気持ちで臨みたい。“初心に戻る”じゃないですけど、『ここからまた上がっていく』 というつもりで。そしたらまた(S級に)上がってこれると思います!」
常に前向きな姿勢、気持ちで取り組む中園選手。来期は正念場のA級戦ですが、 とにかく持ち味をフルに活かして、また上のステージで戦ってくれることを期待します。
最後に、佐藤幸治選手(秋田・92期)をご紹介しましょう。
佐藤選手は、四日市初出走。昨年後期(7月)からS級に上がり、 S級戦でも先行主体の攻めで力をつけ、各地の記念でも勝ち上がり戦で好走を見せています。本人も「記念の方が、 FⅠよりも成績がいいので、自分でもビックリなんですけど(笑)」と話していましたよ。
「S級には徐々に慣れてきましたけど、まだ波が激しいですね。悪いときは、 うまく駆けられなかったり、内に詰まったり…。あとは体調ですかね。逆にいいときは、先行しても捲りに回っても、 体の反応がいいんですよ。頭で考えるより、体が先に動くって感じですね」
そんな佐藤選手に、自己の脚質やスタイルを聞いてみました。
「脚質は地脚タイプです。先行か捲りかのこだわりは、 あまりありません。緩んだところを、すかさず行けるようにしています。でも、位置取りも大切なので、 位置取りのこだわりも多少あります。位置をうまく取らなきゃ勝てないし…。でも、その辺りはまだまだ甘いですね…」
先月の立川戦では、今年初、S級では3回目となる決勝進出を果たしていましたが、その決勝戦は2着! ホームからのカマシ先行で、人気のテーンムルダー選手(オランダ)を破っていました。
「あれは惜しかったですね。前の人がそんなに行ってなかったので『ここは俺が行ってやろう!』 と思って、思い切って行ったんですけどね」
S級初優勝はお預けとなりましたが、まだまだこれからの選手であることは間違いありません。
今回の記念では、連日人気を背負っての走り。一次予選では、メイン扱いの5レースに組まれましたが、 別戦に警戒され、突っ張られて7着敗退。しかし、残りの3日間は1着(逃げ)→1着(逃げ)→2着(捲追込)でまとめました。 今後どこまで大きくなるのか、楽しみな一人と言えるのではないでしょうか!
さて、昼間開催の記念が終わって、次回からは再びナイターに。次回は7月22日 (木)~24日(土)のFⅡ戦。最終日は土曜日ですので、翌日も含めてお休みという方の多いのでは? お近くの方はもちろん、遠方の方も旅打ちで、ぜひ本場へお越しください!